第223話暗闇にはしっぽが結構ある

「お宅のジェームズさん、海外でずいぶん羽を伸ばしてるみたいですよ。顔がいいと得ですねえ――いつも美人が周りにいて、そのうえ彼にお金を使うのも平気らしい」探偵の笑みには、いやらしい含みがべったりと絡みついていた。

ビアンカはジェームズのことをよく知っている。甘い言葉にころりと転ぶような男は、ほかの女にも簡単に目移りする――そういう類いだ。だが、ここまで早いとは思っていなかった。自分の魅力が足りなかったのかと疑い始めた瞬間、それは彼女にとって到底耐えがたい屈辱になった。

怒りが頂点に達したとき、逆に彼女は不意に冷えた。嵐の前の、不穏な静けさだった。

「分かったわ。こういう情報がまた入ったら、...

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